MASAHIRO SANBE

Writings

Masahiro Sanbe

"and people"

WALL Gallery, Minami Aoyama Closes in 7 days

Wall ギャラリー、南青山、終了まであと7日

ギャラリーであり、新人のコンテンポラリーアーティストをサポートするアート雑誌"ヒニスム"の出版元であるWALL ( www.g-wall.org ) は、新人である三部正博の写真コレクションを展示している。

他のどの芸術形態よりも、写真は時間の一片を切り出し、瞬間を凍結させる。三部はこのデビューでそのような『切り取られた瞬間』を広範囲で捉えることに成功している。混み合ったうどん屋での忙しない昼食、ペットを連れた夕暮れの散歩、カフェで一息。展示は4年間かけてロンドン、アムステルダム、沖縄、そして東京で撮影された25枚の白黒写真から構成されている。時折見える漢字の看板が場所を明らかにしている以外は写真が撮影された場所は曖昧だ、つまり、それは街よりも住人に焦点を当てている。

展示されているイメージは普通の人たちが日常生活をしている風景を収めた作品であるため対立的ではなく、不自然でもない。三部は被写体の細かいジェスチャーや自然な姿勢に焦点を当てており、それぞれの写真に『動き』があるかのような幻想を醸し出している。彼は『ガラスや鏡』からインスピレーションを受けており、光の反射や屈折を使用する実験も頻繁に行っている。

『カラー写真では』彼は言う。 『人はある色などに注意を奪われてしまうけれど、白黒写真では、光や単純な線を見せることができます。これによって自分の作品に自分が求めている生々しさを与えることができるのです。』

三部はこの展示の東京シリーズの作成を続けていく予定だ。

ジャパンタイムズ 2006年3月16日(木)

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